内視鏡センターについて
平成元年以来、内視鏡による検査及び治療を行って参りましたが、年々それらの件数が増加し、更なる増加の要望が強くなったことから、診療機能の強化のために、平成25年3月「内視鏡センター」を北館2階へ開設しました。開設にあたり、検査室2室、透視下に治療を行う治療室、大腸内視鏡前処置室8室、リカバリー室、カプセル内視鏡読影室を整備しました。特に大腸内視鏡の前処置のトイレはプライバシーを守るために全室個室にしました。
リカバリー室
個室6・7
個室1~5・8
身体障害者用個室
当センターでは、食道・胃・十二指腸を調べる胃内視鏡検査(胃カメラ)、大腸疾患を調べる大腸内視鏡検査(大腸カメラ)、胆膵系(胆嚢・胆管・膵臓)を調べるERCP(内視鏡的逆行性膵胆管造影)を行っています。 撮影した画像は電子カルテと直結した画像ファイリングシステムを導入しており、検査結果を即時確認することも、過去の所見と比較することも可能となっています。
特長
安全で苦痛の少ない内視鏡検査を心がけています
清潔な検査
内視鏡を介した感染を避け 内視鏡検査の安全性を高めるため、内視鏡の洗浄・消毒についても重点を置いています。当センターでは日本消化器内視鏡学会及び日本消化器内視鏡技師会で示す内視鏡洗浄・消毒に関するガイドラインに従って当院のマニュアルを作成し、内視鏡洗浄消毒装置を2台導入し、1検査ごとに1本づつ全症例で滅菌・消毒を行った内視鏡を用いて検査を行っています。内視鏡で用いた処置具は使い捨てとし、治療器具の完全滅菌・消毒を実施して清潔な検査・治療を行っています。
洗浄室
経鼻内視鏡
鼻から挿入する胃カメラです。従来の経口からの胃カメラと比較して太さが約半分(5-6mmの太さ)の極細径内視鏡を用います。内視鏡が咽頭を通過する角度が小さくなり刺激が少なくなるために嘔吐反射(えずくこと)を起こしにくくなり苦しさが軽減いたします。検査中は医師と会話ができるため、気分が悪くなったらそれを伝えることもできます。 (尚、ほとんどの方は経鼻内視鏡検査を受けることは可能ですが、鼻腔が一般よりも狭い方や、アレルギーの時期に鼻粘膜にむくんでいる方は、この極細径内視鏡が鼻腔を通過できずに行えない場合があります。また、鼻腔の痛みや鼻出血などの発生する可能性があります) 経鼻内視鏡を希望される方は内視鏡の予約時にお申し出ください。
内視鏡用炭酸ガス送気装置
大腸内視鏡時に腸壁から速やかに吸収される炭酸ガスを送気することによって、検査中・検査後の腹満感や腹痛が軽くなり、 血圧や徐脈の頻度が減って安楽に安全に検査が行えます。
鎮静剤と安全管理
大腸内視鏡検査時、場合により鎮静剤を使用することがありますが、その際には自動患者監視装置にて血圧、脈拍、血中酸素濃度などの状態をモニタリングすることで安全面でも可能な限り対応しております。(尚、ご高齢の方、呼吸器や循環器疾患をお持ちの方など、担当医師が鎮静剤を使えないと判断した方には使用できない場合があります)。
機器・設備
最先端の機器を導入しています。
NBI内視鏡
特定の波長の光を照射することにより、胃・大腸粘膜表面の毛細血管や微細な模様を観察し、癌の早期発見や範囲の診断に役立てます。
拡大内視鏡
ズーム(拡大観察)ができる内視鏡です。NBIと組み合わせて粘膜表面の細かい模様を観察し、腫瘍の性質や広がりを調べます。
超音波内視鏡
体の外から観察する通常の超音波よりも高い周波数の超音波を発生する装置を先端に備えた内視鏡を用いて検査を行います。体の内側から精密な超音波断層画像の検査を行います。この超音波は体外式の超音波より波長が短いので得られる画像が微細でであるために、食道、胃、大腸の早期癌や粘膜下腫瘍の性質や深さを診断したり、胆嚢・胆管や膵臓の疾患を診断して治療方針を決めるのに威力を発揮いたします。
カプセル小腸内視鏡検査
超小型カメラを内蔵した長さ26㎜×幅11㎜の大きさのカプセルを、内服薬を飲むように口から飲み、小腸に病気がないかを調べる検査です。従来の内視鏡のように人為的な挿入や送気を必要としないので苦痛が少なく、約8時間の検査中、安静が不要で自由に歩くことができます。
検査室1
検査室2
カプセル内視鏡読影室
処置室
内視鏡的治療について
最先端の機器を導入しています。
内視鏡的治療を積極的に行っています
近年内視鏡技術は急速に進歩しています。当センターでは患者さんに負担の少ない低侵襲医療のために、内視鏡的治療を積極的に行っています。特に吐血・下血など緊急の治療を要する状況に於いては24時間対応しており以下の治療を行っています。
- 食道・胃・十二指腸・大腸の内視鏡的治療
- 消化管出血の内視鏡的止血術
- 胃・食道静脈瘤の内視鏡的治療(結紮術(EVL)・硬化療法(EIS)など)
- 消化管ポリープのポリペクトミー(切除術)
- 早期胃癌の内視鏡的治療(粘膜下層剥離術(ESD)・粘膜切除(EMR)など)
- 消化管良性狭窄のバルン拡張術
- 消化管悪性狭窄のステント留置術
- 胆管・膵管の内視鏡的治療
- 総胆管結石の内視鏡的治療(十二指腸乳頭切開(EST)・十二指腸乳頭バルン拡張(EPBD)など)
- 胆管閉塞に対するドレナージ術(ENBD・ERBDなど)
今後、新しい技術も積極的に取り入れて、安全で高度な検査・治療を進めていきます。
受付・待合室
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