当科の特色
診断から治療までできるだけ速やかに行うことを目指しています。もちろん腹膜炎などの緊急手術は診断がつき次第直ちに手術となりますが、緊急手術以外の手術でも、手術室や麻酔科の充分な協力が得られやすいため、診断がついてから早くて1-2週間以内の手術日をご案内できることも多くあります。
胆道・膵臓疾患に対する相談外来のご紹介
ごあいさつ
![]() 清水 泰博 |
学歴 1985年 名古屋大学医学部卒業 職歴(抜粋) 1992年 名古屋大学第一外科(現 消化器・腫瘍外科)医員 1996年 愛知県がんセンター 消化器外科医長 2011年 愛知県がんセンター 消化器外科部長 2017年 愛知県がんセンター 副院長 2025年3月 定年退職 指導医・専門医 日本外科学会、日本消化器外科学会、日本肝胆膵外科学会、 日本胆道学会、日本膵臓学会、日本消化器病学会 世話人 日本消化器画像診断研究会、膵癌早期診断研究会 |
私は1996年から2025年3月まで愛知県がんセンターに勤務し、肝胆膵がんの診断・治療を担当してきました。29年間で数多くの患者さんの診療に携わることができ、膵切除930件、肝切除400件をはじめ、多岐にわたる手術症例を自ら執刀し、それぞれの患者さんの病状に合わせた最適な治療を提供することに尽力してきました。
この度、長年にわたる臨床経験と、最新の知見に基づき、胆道、膵臓の疾患に関する専門的な相談外来を開設することとなりました。
「健康診断で肝臓や胆道、膵臓に異常を指摘されたけれど、どうしたら良いか分からない」「家族や親族に肝臓や胆道、膵臓の病気を患った人がいるため、自身も心配だ」といった、検査結果に不安を感じている方や、病気に対する漠然とした心配を抱えている方、また「通院中の病院で肝臓や胆道、膵臓のがんと診断された、疑いがあると言われた」方々に対して、専門的な立場から丁寧なアドバイスをさせていただきます。
胆嚢疾患について
胆嚢に関しては、無症状で健康診断において"胆石がある"と指摘された方や、"胆嚢の壁が厚い"という所見が見られた方に対して、その所見の意義や、さらなる精査の必要性について詳しくご説明いたします。
また、症状がある場合や、将来的なリスクを考慮した治療(手術を含む)の選択肢についても、患者さん一人ひとりの状況に合わせて丁寧に助言させていただきます。胆嚢ポリープについても、大きさや形状による注意点、経過観察の重要性などを分かりやすくお伝えいたします。
膵臓疾患、特に膵臓がんの早期発見に向けて
私が特に力を入れて取り組んできたのは、膵臓がんの早期発見です。
膵臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、初期には自覚症状が出にくいため、発見されたときには進行していることが多いという課題があります。かつては「不治の病」とさえ言われていましたが、近年、画像診断技術の進歩や、早期がんを疑う特徴的な所見が明らかになってきました。
健康診断や人間ドックで、膵臓に嚢胞(膵嚢胞)や膵管の拡張を指摘された方は、早期の膵臓がんが潜んでいる可能性があります。また、これまで良好にコントロールされていた糖尿病の血糖コントロールが急に悪化したという方も、膵臓に何らかの異変が生じている兆候である場合があります。さらに、原因不明の腹痛や背部痛、食欲不振、体重減少といった症状がある場合も、膵臓の病気が疑われます。
このような所見や症状をお持ちの方に対して、精密な検査の必要性、適切な検査方法(CT、MRI、超音波内視鏡など)、そしてその後の経過観察の方法について、最新のエビデンスに基づき、詳しく丁寧にご説明させていただきます。
早期発見・早期治療は、膵臓がん克服への最も重要な鍵となります。 長年の経験と知識を活かし、地域の皆様の健康と安心に貢献できるよう努めますので、どうぞお気軽にご相談ください。